SPSS Win 対応のない2元配置分散分析

【例】3×2の分散分析
独立変数(要因)1:group(1〜3)
独立変数(要因)2:sex(0〜1)
従属変数:time
一般線形モデル → 1変量

従属変数timeを「従属変数」欄に,独立変数2つを「固定因子」欄に入れる
(ただし独立変数が変量要因の場合は「変量因子」に入れる)
以下に示す主効果の多重比較と交互作用の多重比較を設定し,終わったら「貼り付け」(注意:[OK]ではない)


※主効果の多重比較の設定

「その後の検定(H)」をクリック

・「因子」欄から「その後の検定」に必要な要因を移し,好みの検定法にチェックする
この例ではTukey法とBonferroni法を指定している。通常はどちらか一方でよい
この例では3水準以上あるgroop因子のみを指定すればよい。2水準しかないsex因子を指定するとエラーになる。

終わったら「続行」


※交互作用の多重比較の設定

「オプション(O)」をクリック

・「推定周辺平均」の左側「因子と交互作用」欄から交互作用(group*sex)を選び右側の「平均値の表示」欄に入れる
・「表示」欄の必要なものにチェック:「記述統計」は必須,また「効果サイズの推定値」にチェックを入れると効果量(偏η二乗)が表示される

終わったら「続行」


※傾向分析を指定する場合(特殊な用途なのであまり使わない)

「対比(N)」→分析対象の要因を「因子(F)」の中から選択し(ここではgroupについて分析)
「対比(N)」プルダウンメニューから「多項式」を選び「変更(C)」
(group(なし)の表示がgroup(多項式)に変わる)
※傾向分析など対比の分析をしない場合は,ここは設定する必要ない

一通り設定が終わったら [貼り付け(P)] ボタンをクリック
([OK]を押さないように注意)

「貼り付け」をするとコマンドシンタックスが現れるので7行目反転部分を以下のように書き換える
(2行目の表示はPCの状態によって異なる)


書き換え部分

/EMMEANS = TABLES(group*sex)

/EMMEANS = TABLES(group*sex) compare(group) ADJ(bonferroni)
/EMMEANS = TABLES(group*sex) compare(sex) ADJ(bonferroni)

(本数値例ではsexは2水準で本来多重比較は必要ないため,2行目は不要なのだが,例示のため示した)

※詳細はSPSS勝手にFAQ参照
※ADJ(...以下のシンタックスはVer8以降で有効(学生版などVer7.5以下ではエラーになる)
7.5以下の場合は,危険率の修正をしない対比較(ADJ以下なし)でいったん算出し,手計算で名義水準を算出して用いる

線形混合モデル(MIXED)で交互作用を求める場合も/EMMEANS欄を同様の書式で変更すればよい

書き換え後のシンタックス
UNIANOVA time BY group sex
/METHOD=SSTYPE(3)
/INTERCEPT=INCLUDE
/POSTHOC=group(TUKEY BONFERRONI)
/EMMEANS = TABLES(group*sex) compare(group) ADJ(bonferroni)
/EMMEANS = TABLES(group*sex) compare(sex) ADJ(bonferroni)
/PRINT=ETASQ DESCRIPTIVE
/CRITERIA=ALPHA(.05)
/DESIGN=group sex group*sex.

↓結果↓


※各要因ごとの平均と標準偏差


※分散分析表  この例では効果量(偏イータの2乗)も出力している
結果
→groupの主効果と交互作用が有意


※主効果の多重比較
・この例ではsexは2水準しかないので検定していない
・例示のためBonferroni法とTukey法の2つが表示されているが,通常はどちらか一方でよい
結果
→group2がgropu1,3より大きい
※単純主効果検定


[GROUPごとsex間の違い]
結果
→group2,3で性別間に有意差があった

[sexごとのgroup間の違い]

結果
→どちらの性別でもgroup間に有意差があった

平均平方(MS)に全体の分散分析表(↑)の誤差(19.367)が用いられていることに注意



※交互作用の多重比較(性別ごとのgroup間の比較)

→sex=0では各group間に有意差あり,sex=1ではgropu1と3の間以外に有意差があった

※groupごとでのsex間の比較は,sexが2水準なので単純交互作用検定結果から
どのグループでも性別間に有意差があることが分かる。
実際にどちらが大きいかは「記述統計量」から判断すればよい。

※傾向分析の結果
結果
対比推定値と仮説値(通常0)の差が有意であれば,線形,2次それぞれの傾向が見られる


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